京王線芦花公園駅徒歩2分の芦花パーク歯科、院長の新保です。
今回は、左下奥歯の痛みと腫れ、上顎の入れ歯が合わないことを主訴に来院され、金属のバネが目立ちにくい部分入れ歯を希望された女性の症例です。
以下のような方に参考となる症例です。
- 上顎の入れ歯が合わない
- 金属のバネが目立ちにくい部分入れ歯を検討している
- 見た目だけでなく、入れ歯の安定性も重視したい
- ノンクラスプデンチャーと金属フレームの関係を知りたい
治療前の状態
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治療前の口腔内写真



治療前の口腔内写真です。
左下奥歯の痛みと腫れがあり、上顎の入れ歯にも不具合が認められました。治療の過程で左下の残存歯を抜歯し、最終的に上顎は総義歯、下顎は部分床義歯で治療する方針としました。
上顎には不安定な残存歯やインプラントが残っており、治療計画を立てた時点でも、今後口腔内の状態が変化する可能性がありました。そのため、上顎は保険診療で総義歯を作製しました。
一方、下顎については、金属のバネが目立ちにくい部分入れ歯を希望されたため、保険外診療で金属フレームを併用したノンクラスプデンチャーを作製しました。
義歯製作の経過
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最終義歯製作前の下顎

下顎の義歯を製作する前の口腔内写真です。
義歯を作製する際には、残っている歯の状態だけでなく、歯ぐきの形態や上下の噛み合わせも確認します。
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噛み合わせの確認

義歯を製作するため、上下の噛み合わせの位置を確認・記録しています。
また、製作途中には義歯の適合や安定性を確認しました。レストと呼ばれる義歯の一部に調整が必要な部分があったため、修正したうえで最終的な義歯を完成させました。
治療後の状態
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義姉装着後の正面

完成した義歯を装着した状態です。
上顎の総義歯、下顎の部分床義歯ともに安定しており、患者さんからは「何でも食べられる」と喜んでいただいています。
また、下顎の部分入れ歯については、金属のバネが目立ちにくいことにも満足されています。
金属フレームを併用したノンクラスプデンチャー
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作製した下顎の義歯

ノンクラスプデンチャーは、金属のクラスプ(バネ)の代わりに、義歯床用の樹脂を用いた部分入れ歯です。
「ノンクラスプ」という名称から、金属をまったく使用しない義歯と思われることがあります。しかし、日本補綴歯科学会のポジションペーパーでは、ノンクラスプデンチャーには、樹脂と人工歯のみで構成されるタイプだけでなく、金属構造を有するタイプも含まれるとされています。
今回の下顎義歯では、頬側の見える部分に金属のバネが目立ちにくい設計としています。一方で、義歯の安定性や剛性を確保するため、見えにくい部分には金属フレームを使用しています。レスト、舌側クラスプ、リンガルバーにも金属を用いています。
日本補綴歯科学会のポジションペーパーでは、樹脂と人工歯だけで構成される剛性のないタイプは、特別な症例を除き、最終義歯として推奨できないとされています。また、金属構造を有するノンクラスプデンチャーは、通常の部分床義歯の設計原則に基づいて作製する必要があるとされています。
そのため、ノンクラスプデンチャーでは、金属を一切使わないことだけを目標にするのではなく、見た目と義歯としての機能を両立させることが重要です。
【参考文献】
笛木賢治ほか:熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯(ノンメタルクラスプデンチャー)の臨床応用.日本補綴歯科学会誌.2013;5:387–408.DOI:10.2186/ajps.5.387
日本補綴歯科学会ポジションペーパー(J-STAGE)
院長よりひと言
今回の症例では、上顎に総義歯、下顎に金属フレームを併用したノンクラスプデンチャーを作製しました。
入れ歯は、見た目だけでなく、噛み合わせや安定性、残っている歯への負担、清掃のしやすさなどを考慮して設計する必要があります。
ノンクラスプデンチャーをご希望の場合でも、金属を使用する場所と使用しない場所を適切に考えながら、一人ひとりの口腔内に合わせて設計することが大切です。
入れ歯が合わない、金属のバネが気になる、入れ歯でうまく噛めないといったお悩みがある方は、一度ご相談ください。
治療概要
| 年齢・性別 | 70代女性 |
|---|---|
| 治療内容 | 上顎総義歯、下顎金属フレーム併用ノンクラスプデンチャー |
| 治療期間 | 抜歯から約6ヶ月、義歯製作開始から約2ヶ月 |
| 費用 | 上顎:保険診療/下顎:保険外診療30万円(税込) |
| リスク・副作用 | 装着後の痛みや違和感、義歯の破損・変色・摩耗、口腔内の変化による調整や再製作が必要になる場合がある、耐久性に若干劣る |
ブリッジ・入れ歯についてさらに知りたい方は、こちらのページをご参照ください。→ブリッジ・入れ歯
保険診療と自費診療についての当院の考えは、こちらをご参照ください。 → 保険診療と自費診療の違いについて
自由診療の料金に関しては、こちらのページをご参照ください。 → 自由診療の料金表
