こんにちは。世田谷区南烏山、芦花公園駅近くの芦花パーク歯科、院長の新保です。
2026年8月1日・2日の2日間、ケーオーデンタル株式会社主催の「GPのエンド臨床を加速する アドバンスエンド・ハンズオンセミナー」に参加しました。
講師は、2023年に受講したベーシックセミナーでもご指導いただいた阿部修先生です。今回はその発展編として、複雑な根管への対応や、治療中に生じるさまざまな問題への対処法について、講義と実習を通じて学びました。
複雑に曲がった根管への対応


根管とは、歯の内部にある神経や血管が通っている細い管のことです。その形は歯によって異なり、まっすぐとは限りません。大きく曲がっていたり、途中で枝分かれしていたりすることもあります。
今回のセミナーでは、湾曲した根管の模型を使用し、複雑な形をできる限り保ちながら、根管内を清掃・形成する方法を学びました。
また、根管治療に用いる「NiTi(ニッケルチタン)ファイル」について、当院では普段使用していない種類の器具も実際に操作しました。一方で、現在当院が使用しているNiTiファイルの選択は阿部先生と共通しており、日頃行っている治療の方向性を改めて確認する機会にもなりました。
細菌を少しでも減らすという基本
根管治療の大きな目的は、歯の内部に入り込んだ細菌を可能な限り減らし、再び細菌が入りにくい状態をつくることです。
そのためには、根管の中を処置するだけでなく、治療の入り口となる虫歯を最初にしっかりと除去することが重要です。
新しい器具や難しい技術を学ぶ一方で、「まずは虫歯を確実に取り除き、細菌を少しでも減らす」という基本の大切さを再認識しました。
パーフォレーションリペアのアップデート
今回のセミナーでは、パーフォレーションリペアについても学びました。
パーフォレーションとは、何らかの原因によって歯の内部と外部とが交通する穴が生じた状態です。そのままでは細菌感染が広がる可能性があるため、適切な材料を用いて穴を封鎖する必要があります。
2023年のベーシックセミナーでも修復方法を学びましたが、今回はシリンジを用いて修復材料を届ける方法へと、阿部先生ご自身の手技もアップデートされていました。私も実習でその方法を学び、必要な器材は早速発注しました。
また、以前はパーフォレーションリペアの第一選択として使用されることが多かったMTAセメントから、近年はバイオセラミック系材料へと選択肢が移りつつあることや、それぞれの特徴についても学びました。
このほか、根管内で折れてしまった器具を除去する方法や、再根管治療への対応についても実習しました。破折した器具の除去方法は、以前に別のセミナーで学んだ方法と共通しており、知識と手技を再確認できました。
懇親会でも多くの質問をさせていただきました
1日目の終了後には懇親会があり、日頃の診療で疑問に感じていることを数多く質問させていただきました。
阿部先生は、どのような質問にも、ご自身の豊富な経験と知識をもとに真摯に答えてくださいます。とても質問しやすく、その回答も毎回非常に勉強になります。
特に2日目は、ほぼ一日中マイクロスコープを覗きながらの実習でした。さすがに終わる頃には疲れましたが(笑)、実際に手を動かしながら学ぶことで、非常に密度の高い2日間となりました。
自費根管治療で、より精密な治療を追求するために
今回のセミナーを通じて、根管治療における基本の大切さを再確認するとともに、精密な治療を行うためには、診断方法や使用する器具・材料も重要であると感じました。
根管治療に関しては、当院の自費診療の方が、保険診療よりも精密な診断と治療を追求できる点で優れています。
当院の自費根管治療では、CT撮影を必ず行い、通常のレントゲンだけでは分かりにくい根管の形や、歯の根の周囲の状態を立体的に確認します。保険診療ではCTを撮影できる状況が限られますが、自費診療では診断の段階から必要な情報を得たうえで治療計画を立てます。
また、マイクロスコープとラバーダムを使用し、NiTiファイルについても新品のものを使用します。これにより、過去の使用による金属疲労を持ち込まず、治療中にファイルが折れるリスクを可能な限り抑えることができます。
根管充填に用いる材料についても、保険診療では選択できないバイオセラミック系材料を採用しています。今回のセミナーで示された器具や材料の選択は、当院が自費根管治療で行っている内容とも共通しており、現在の治療方針を継続してよいという確認にもなりました。
もちろん、自費診療であれば必ず治るということではありません。歯の状態や感染の程度、根管の形、歯根破折の有無などによって、治療の結果は異なります。しかし、精密な診断と治療を行うための環境や選択肢には、保険診療と自費診療の間に明確な違いがあります。
保険診療でも、その範囲の中でできる限り丁寧な治療を行います。そのうえで、より精密な根管治療を希望される方には自費根管治療についてご説明し、それぞれの違いをご理解いただいたうえで治療方法を選んでいただいています。
今回学んだ内容も日々の診療に取り入れ、基本を大切にしながら、できる限り歯を残すための治療に努めてまいります。
