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こんにちは、京王線芦花公園駅徒歩2分の歯医者、芦花パーク歯科の院長新保です。
「子どもの歯(乳歯)はいずれ生えかわるから、虫歯になっても大丈夫」と思っていませんか?乳歯は永久歯の代わりではなく、子どもの発育においてとても重要な役割を担っています。言い換えると、乳歯の虫歯は子どもの以後の成長に悪影響を及ぼしかねないということです。
ここでは乳歯が永久歯よりも虫歯になりやすい理由や虫歯による悪影響、乳歯の虫歯予防のポイントなどをご紹介していきます。
同じ虫歯でも、乳歯は永久歯に比べ虫歯になりやすく、さらに進行も速いという特徴があります。以下にその理由について、詳しく解説していきましょう。
歯はお口の中に出てから時間の経過とともに虫歯への抵抗力が強くなってきます。永久歯では歯が出てきてから最初の5年間が虫歯の発症と進行が起きやすいと報告があります。乳歯は5〜10年ほどで永久歯に交換するので、前歯だとお口の中にあるほぼ全期間、奥歯だと約半分の期間でリスクが高いことになり、虫歯になりやすいと言えます。
歯の表面はエナメル質という硬い組織に覆われており、このエナメル質が細菌の作る酸から歯を守ってくれます。しかし、乳歯のエナメル質は永久歯の半分程度の厚みしかないため、虫歯を発症すると永久歯よりも短期間でエナメル質を突破し、酸への抵抗力が弱い象牙質に達し、さらに進行してしまいます。
3歳ごろを過ぎて自我が芽生えると、子どもは自分で歯を磨きたがります。もちろん、子ども自身に磨かせることは歯磨きの習慣を身につけさせるうえでは重要ですが、子ども1人では十分に汚れを落としきれません。さらに、6歳以降に永久歯の生え代わりが始まると、乳歯と永久歯が入り混じる凸凹した歯並びになるため、より一層歯磨きがしづらくなります。「1人で磨けるから」と保護者が油断してしまうと、乳歯はたちまち虫歯になってしまうため注意が必要です。
乳歯はいずれ新しい歯(永久歯)に生えかわりますが、乳歯の時期に虫歯になると以下のようなトラブルが起こる可能性があります。場合によっては子どもの発育にも悪影響を及ぼすため、乳歯のうちから虫歯予防を徹底することが重要です。
乳歯が虫歯になると食べ物がうまく噛めず、食べやすいもの・軟らかいものばかり好んで食べるなど偏食になる可能性があります。成長がさかんな時期に栄養バランスが偏ると、体の発育や健康状態にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
乳歯の虫歯が原因で早めに乳歯を失うことになると、歯並びが乱れ顎の発育にも支障をきたしてしまいます。
乳歯はこの時期に言葉を覚える子供にとって正しい発音を作る重要な役割があります。その乳歯が虫歯になると、発音にも支障をきたすおそれがあります。
乳歯の時期に虫歯になるということは、その時点ですでに虫歯になりやすいお口の環境や生活習慣が作られていることにほかなりません。その状態が永久歯に生えかわっても続いてしまうと、当然ながら永久歯も虫歯になりやすくなります。
乳歯は次に生える永久歯を正しい位置に導く道しるべとしての役割を担っています。乳歯が虫歯で大きく欠けてしまったり、早期に脱落したりすると、永久歯が正しい位置に生えてこられず、歯並びが悪くなってしまいます。
大切な乳歯を虫歯にしないために、日々の生活では以下の点に注意しましょう。
乳歯が虫歯になる原因の1つは、時間を決めずに間食やジュースを摂取する「ダラダラ食べ」「ダラダラ飲み」です。お口に食べ物・飲み物が入っている時間が長くなるほど虫歯になるリスクは高まるため、食事や間食は決められた時間にしましょう。また、水分補給も糖分を含まないお茶やお水を与えるようにしてください。
子どもは1人で十分に磨くことはできません。(大人でもなかなか難しいので子供なら尚更です。)小学校低学年あたりまでは、1日1回でも良いので子どもが磨いた後に保護者が仕上げ磨きを行うようにしましょう。
フッ化物の虫歯予防効果は世界中で証明されていて、WHO(世界保健機関)でも虫歯予防にフッ素配合の歯磨き剤の使用を推奨しています。フッ化物は最初の乳歯が生えた時から使用できるため、子どもの歯が生えたらフッ化物配合の歯磨き剤やジェルをご家庭でも活用していきましょう。
歯科医院の定期検診では乳歯の虫歯のチェックのほかにも、歯磨き・仕上げ磨きの指導や食生活のアドバイス、さらに歯並びのチェックも行っています。ぜひ歯医者さんの定期検診を習慣づけていきましょう。
乳歯は酸への抵抗力が弱く、さらにエナメル質の厚みも薄いことから、永久歯よりも虫歯になりやすく進行も速い特徴があります。乳歯の虫歯は永久歯の虫歯や歯並びのほかに、体の発育や発音、食習慣にも悪影響を及ぼすため、「乳歯だから」という油断はせずにしっかり予防していきましょう。
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